EBPM・デザイン思考で市民ニーズと課題を探る 枚方市・SAPジャパン株式会社

(写真)SAP Analytics Cloudを使用し市民の声を可視化。ニーズや課題の深堀りを行う。

枚方市(市長:伏見 隆)は、新しい生活様式による新たな価値観やAIの普及など社会状況が大きく変化する中、どのような状況にも対応できる持続可能な行財政運営の確立とまちの魅力向上をめざし、ICT活用の推進や、EBPM(根拠に基づく政策立案)の手法を取り入れた施策展開に取り組んでいます。

社会環境の変化に柔軟に対応できる人材育成にも注力するなか、枚方市人材育成基本方針では「市民感覚を持ち、市民に寄り添って対話をすること」、「自らの考えを言語化し、根拠を明らかにして物事を進めること」、「新たな発想・アイデアで、枚方の未来をデザインすること」等の行動指針を定めており、アクティブラーニング型研修等を通じて、多様化する市民ニーズに沿った効果的な行政サービスに繋げる、職員の応用力の向上等にも努めています。

今回、この人材育成の取り組みの一環として、枚方市は令和4年1月24日、25日の計2日間、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場でのグローバル企業である、SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下「SAPジャパン」)と「デザインシンキング研修」を実施しました。

この研修は、令和3年1月に大阪府とSAPジャパンが、産業振興、教育・子ども、スマートシティ、地域活性化、ダイバーシティ等の8分野にわたる連携、協働に関して締結した包括連携協定に基づく、行政のICT化に向けた支援に基づく取り組みの一つとして、日本国内だけでなく、諸外国でデザイン思考を活用した事業を展開するリーディングカンパニーであるSAPジャパンとの公民連携での研修として開催されました。

係長級の職員が参加した今回の研修は、1日目に「データ分析の概要およびデータ分析ハンズオン(EBPM実践事例紹介)」として、SAPジャパンが提供する「SAP Analytics Cloud(SAC)」を活用。

枚方市コールセンターに日々寄せられる市民等からの問い合わせデータをSACに取り込むと、問い合わせ内容の傾向分析が自動的に行われ、様々なグラフ等でデータが可視化できるというもので、簡単な操作研修を含めたハンズオン形式で研修が進み、ICT活用による効果的なデータ分析技術の知識、ノウハウの共有が行われました。

2日目は、「デザインシンキング概要およびデザインシンキングを活用した業務改善案設計」として、デザインシンキングの手法について講義を受けた後、グループに分かれ、初日のデータ分析結果を踏まえ、コールセンターを利用する市民を想定(ペルソナ設定)し、ニーズや課題を洗い出し、必要なサービスを設計する実践形式でのワークショップを行いました。

研修に参加した職員からは、「普段の業務で蓄積されるデータや、今後収集できるデータ等から、課題の可視化や潜在する課題・要因の発見につなげられることを実感した」、「業務のあり方を検討する際に、既存業務の延長上で考えるのではなく、『利用者目線』『人が求めているもの』『何が課題か』という視点で考えるように心掛けたい」など、データに基づく政策立案や市民ニーズの見える化の重要性やICT活用の有用性などに多くの気づきがあったなどの意見が寄せられ、非常に有意義な研修となりました。

(写真)SAPジャパン ビジネステクノロジープラットフォーム事業本部 岸 俊彦 氏

(写真)SAPジャパン ビジネステクノロジープラットフォーム事業本部 岸 俊彦 氏

(写真)SAPジャパン エヴァンジェリスト 吉越 輝信 氏によるデザインシンキングの講義及びワークショップの様子

(写真)SAPジャパン エヴァンジェリスト 吉越 輝信 氏によるデザインシンキングの講義及びワークショップの様子

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